オランダの戦闘機フォッカーD21は、政府の求めで設計されましたが、政策変更でテスト飛行直前にキャンセルされました。しかし開発は続行され完成後は政府から注文を受けた他、フィンランドとデンマークに輸出されました。

オランダ国内に配備された36機は、ドイツ軍の侵攻で壊滅したものの、フィンランドでは7機の輸入後に90機が現地でライセンス生産され、対ソ戦争の初期に大変活躍した為、むしろフィンランド軍機として名を残しました。


箱絵は素敵なのに簡易インジェクションの原料充填不足は悪夢です。欠けた主翼はプラ板を継ぎ、機体はヒケや隙間だらけでパテ使いまくりでした。

半分消えていたたトツモールドは、塗装図を参考に全部スジ堀りし、ピンバイスでリベットのモールドを追加。無い排気管はエポパテで自作。デカールは紙のようでなじませるのが大変と、どうにか見られるようにするだけで骨が折れました。



同機はMPM社から別金型のキットが発売されてます。一部のパーツがレジン製で価格が若干高いですが、そちらを選択する方が正解でしょう。

この作品はオランダ軍仕様ですが、キットは車輪の代わりにソリを履いたフィンランド仕様を作る事もできます。


照準機の丸い照門は戦車模型の余ったエッチングを加工。機体下面は派手なブラウンで、タイツを履いたように見える固定脚が面白いです。

手間がかかりましたが、完成すると味わいがある機体で、機首の3匹のネズミのマークも可愛いらしく、国内メーカーにキットを出して欲しい機体の1つです。

Aug.12.2005